【フォトフェイシャルの副作用】
スタッフどうしで練習していてこのようなトラブルが発生しました。照射後2日目の写真です。
こちらはアゴの下ですが、より強く反応しています。それでもジクジクするようなことはなく、この上から化粧ができて1週間後には完全に消えてしまいました。これをトラブルと見なすか少しばかり反応が強かったと見なすか、ちょうど境界線上でしょう。この程度を我慢していただければフォトフェイシャルの効果はずいぶん期待できます。
問題は患者さんが許せばこの程度まで反応させ、許さなければ反応させないようにコントロールできるかどうかです。
レーザー脱毛の原理に書いたように脱毛用レーザーの場合に効果と副作用を決める因子は、1)波長 2)出力 3)レーザー1発の持続時間(パルス幅) です。そして副作用を少なくして効果を高めるために高性能の冷却装置も必要です。
フォトフェイシャルでも同様のことがいえます。波長は使用するフィルターで決まりますから一定です。姉妹機のQuantumHRの方で詳しく説明しましたが強力な冷却装置がついています。「Pulse Delay」を含めた波長もいくつかのプログラムを選択することはできますが、これもほぼ固定です。
実際の照射に際して、その場で選択しなくてはならない因子というのは「出力」だけといっても過言ではありません。そして、その出力は、通常は23ジュール(J/cm2)くらいからスタートして最高でも27ジュール(J/cm2)くらいまでです。30ジュール(J/cm2)以上で照射すると必ずといってよいくらいヤケドすることが分かっています。
すなわち、初回は23ジュールで照射して問題がなければ2回目は24ジュール、3回目は25ジュールでというように段々と上げていけばよいのですから簡単です。(上記のスタッフはちなみに1回目24ジュールで照射し、25ジュールでの2回目にトラブルを起しました)
では、同じ人に同じ出力設定で照射したら常に同じ結果が得られるのでしょうか? 当院で使用しているLightSheerという脱毛機はこちらに書いたように

すなわち、この写真のように皮膚を強く圧迫して照射しますから機械が出すエネルギー=身体が受けるエネルギーとなりますが、照射面と皮膚との距離が異なれば機械は同じエネルギーを出しても身体が受けるエネルギー量は異なってくるのです。
フォトフェイシャルにも強力な冷却装置がついているのですから、このように強い圧迫しながら照射すればよいと導入当初は考えていました。しかしながら、そのような圧迫照射はできないことに、すぐに気づきました。脱毛用LightSheerの照射口はサファイアガラスでできているために毛根が燃えるときの熱に十分に耐えることができますが、フォトフェイシャルのガラスはそうではないのです。
したがって、照射の際にはガラスを守るために、このように少し(2mm)離す必要があるのです。
実際には、この隙間は
このような粘度の高いジェルで満たされます。ジェルを介してハンドピースの冷却装置に熱は吸収されるということになるわけです。この仕組みは脱毛の際のジェルと同じ働きであるともいえます。こちらを御覧ください。
このハンドピースの照射口は8mmX34mmという広いものです。照射口のどの部分でも皮膚面との距離が常に一定であるのが理想です。というのは、光エネルギーは距離の2乗に反比例して減弱していきますから、設定どおりのエネルギーが身体に伝わらないことになってしまうのです。
皮膚に触れるか触れないかの右端と大きな隙間のある左端では皮膚の反応は全くといってよいほど異なるでしょう。
これくらい極端になると、左端ではヤケドが起きるかもしれません。
この機械の照射スイッチはハンドピースのグリップのところについています。ハンドピース自体は写真のように大きなものですがスイッチを押すためには、どうしてもこのような持ち方になります。ハンドピースの両端をしっかりと保持できないので不安定になってしまうのです。
(実際の照射では顔じゅうジェルだらけにして照射します)
不安定な状態でスイッチを押すと照射口が予定したよりも顔に近づいたり、斜めになってしまいがちです。
そこでメーカーでは「スペーサー」というプラスチックの枠を用意しています。
これを装着して圧迫気味に照射すれば照射口と皮膚面の距離は一定に保たれるわけです。グッドアイデアではありますがスペーサーの隅にジェルがまとわりついて拭き取るのが面倒となり作業効率が極端に落ちます。スペーサーを使わずに上手に照射できないかと練習はしましたが、照射技術を一定に保つのは難しいという結論となりました。
冒頭でお見せしたトラブル写真は、スペーサーを使用しないで照射して発生したものです。このトラブルを経験して、現在は必ず使用するようにと院内規定で定めました。
しかしながら、スペーサーを使用しても使用しなくても、このような起伏の大きい場所では難しいというか正確な照射は不可能です。
フォトフェイシャルという機械は名前の如く、顔面に使用する機械です。顔面に使用するにしては照射口が大きすぎると言わざるをえません。基本性能はすばらしいことには同意いたしますが、この点は早急に改善する必要があると考えます。
メーカーの努力に期待するところです。
2001年10月7日
本文を書いた直前に経験したヤケドがその後に色素沈着をおこして頭痛の種でした。一縷の望みにすがっておこなったフォトリボーンが奏効していますのでほっとしています。こちらを御覧ください。これもスペーサーを使用しなかったケースです。
2002年4月7日
その後、十分に注意しているにもかかわらず2例のヤケドを経験しました。前回と同様の出力である27Jで照射した例と26Jで照射した例です。
2002年6月11日
起伏の大きい場所でも正確な照射ができるような改善を期待すると書いて1年9ヶ月が経ちました。その間、どのような進展もなかったのですが、3ヶ月ほど前に改善策をおもいつきました。いろいろと実験をした結果、どうもうまくいきそうだと自信を持つに至りましたので発表いたします。こちらを御覧ください。
2003年7月1日
渋谷高橋医院 院長
高橋知之
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