レーザー脱毛であっても光脱毛であっても安全かつ効果的に脱毛を行なうための光線の大切な条件はこちらに書いたように波長、出力、パルス幅(光線の持続時間)の三つです。この3条件に加えて、実際の施術においては熱から皮膚表面を保護する強力な皮膚冷却装置が必須であるというのがダイオードレーザー(ライトシェア)を導入した1998年からの私の一貫した主張です。
皮膚冷却装置については、最近、東京都が必要性を認めてくれたところではありますが、まだまだ軽んじられているといわざるをえません。東京都の提議を無視しているエステ脱毛機が幅をきかせているのは残念なことです。
私は単に皮膚を冷やすのではなく皮膚表面温度をコントロールすることでヤケドゼロ(に近い、たぶん?)の脱毛機P-NAIN2を完成させることができました。(ヤケドゼロというのは部位ごとにテスト照射して、丁寧に「押す・拭く・ジェル」を行なうという条件のもとにですが・・・)
この皮膚表面温度は、安全かつ効果的に脱毛を行なうための4番目の条件といえます。
私は渋谷高橋医院ではP-NAINではなくライトシェアをメインに使用していますが、その理由は、渋谷高橋医院で脱毛をお受けになっている方々は私のライ トシェア信仰を信じて脱毛をはじめられた方々であって、そしてその効果にとても満足していらっしゃるので、なかなか宗旨替えというか方向転換ができないの です。(確実に脱毛できているのに変更する必要もありません)
脱毛機の性能は効果の面と安全面(ヤケドを起さない)の両方から考えなければいけませんが、ライトシェアの場合は浅黒い肌の方に高出力で連続照射すると冷 却能力が追いついていかない場合があります。その点からすれば、P-NAIN2のほうがライトシェアよりも安全であるといえます。しかし効果の面からみれ ば、ライトシェアの最高出力が60ジュールであるのに対してP-NAINは45ジュールしかありません。
一般にライトシェアを40ジュール以上の高出力で常用している医療機関はほとんどないはずです。30ジュール台の常用使用であればライトシェアとP- NAINは遜色ないとおもいますが、私のところにおみえになっているお客様は要求要望が高くて45ジュールでは満足していただけません。女性の口周りや肩 などは最高出力である60ジュールで施術することも珍しくないのです。
皮膚表面温度をコントロールできる強力な冷却装置を登載した今では45ジュールという最高出力では物足りなくなってしまったわけです。
じゃあ、もっとハイパワーにすればよいじゃないかとおもわれるでしょうが、そんなに簡単ではないのです。発光ランプにかかる電圧と電流をあげることは(結 構大変ですが)可能ではあります。でもそうするとランプが壊れてしまうのです。そのような高圧高電流に耐えられるランプが存在しないのです。
私はライトシェアでもP-NAINでもパルス幅(光線の持続時間)は30ミリ秒が最適であるという前提で話をすすめてきました。困ったときはスタートラインに戻ったほうがよいですね。レーザー脱毛の原理で、私は「ヤケドをおこさないためには1000分の10秒(10ミリ秒、10ミリセカンド)以上の持続時間が必要」と書きました。
また産毛についてでは、「産毛の脱毛効果を高めるには二つの方法が理論的には考えられます。一つは、太い毛に対して照射する場合よりも、レーザー1発の持続時間を短くすることです。
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も う一つの理論は、ロングパルスのまま出力をあげるというものです」と書きました。私は長いあいだ後者を選んできたわけですが、その理由はパルス幅を短くす ればヤケドするからでした。短くするほうが理論的には良いのですがヤケドするからできなかったのです。皮膚表面温度をコントロールできる強力な冷却装置に よってヤケドしなくなったわけですから、短くしてみてもよいはずです。幸いP-NAINでは20ミリ秒から50ミリ秒まで自由に可変できるのですから早速 実験してみました。
女性スタッフのヒジ上です。赤枠の中をライトシェアでそれぞれの出力で照射してみようというわけです。その外側をP-NAIN2で照射します。
照射20分後です。
P-NAIN2では20ミリ秒で設定温度を -5℃、 0℃、 5℃と変えてみました。温度が高いほど皮膚の赤みが強くでることが分かりました。ライトシェアと同じ5℃の箇所で比較すると、赤みはライトシェアの55ジュールくらいと同じように見えます。
翌日には赤味も消えて、特に副作用はみられませんでした。それならば20ミリ秒ではなく、もっと短い設定にすれば、もっと良い結果が得られそうですが、残 念ながらP-NAIN2は20ミリ秒より短くは設定できません。設計段階ではそのような使い方を想定していなかったのです。
20ミリ秒にしても、慣れ親しんだ30ミリ秒と本当に同じように安全であるかは、今しばらく慎重に経験を積む必要があろうかとおもいます・・・。
適切なパルス幅について考察するという新しい宿題が生まれたところで本日はここまでとします。
2005年11月5日
渋谷高橋医院院長 高橋知之 記
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