浅黒い皮膚に対するレーザー脱毛(新型ダイオード機LightSheerを用いて)

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レーザー脱毛では、ターゲットとなるのは黒色のメラニン顆粒です。メラニン顆粒をたっぷり含んだ毛根がメラニン顆粒を含んでいない真っ白な皮膚の中にあれば副作用のヤケドがおきずに著しい脱毛効果が期待できます。
毛根が細くなるとメラニン顆粒が少なくなりますから脱毛効果が減弱し、皮膚の中のメラニン顆粒が多いために色黒の肌の人ではヤケドの副作用が増えてきます。
レーザー光線1発の持続時間を調節して、毛根の中のメラニンの大きな塊と皮膚の中に散在するメラニンの小顆粒からの放熱量をコントロールするのがレーザー脱毛の原理です。
ダイオードレーザーのメーカーであるコヒレント社は、ほぼ半年ごとに機械を改良してきており、私も、改良のたびに導入してきました(渋谷高橋医院では型番の異なるダイオード機が5台になりました)。
しかし、レーザー脱毛の効果の根幹にかかわる光線1発の持続時間(パルス時間・パルス幅)は1000分の30秒と変更されることはありませんでした。

本年春に、皮膚に散在するメラニン顆粒を焼く可能性が低い1000分の100秒に設定できる新型機(LightSheerXC)が開発されました。受注開始と同時に予約し、先般1号機が到着しましたので、さっそく使用してみました。(日本人への使用の第1例目になります)

20数年来の重症アトピーのために非常に黒い肌の人の大腿部(ふともも)です。(たくさんの人が脱毛にみえていますが、失礼ながら、このように黒い人は非常に少ないです)
写真下段の18・19・20の赤インク表示にあわせて、それぞれの出力で従来の1000分の30秒で1発づつテスト照射しました。写真上段の逆に書いた18・19・20の表示部位には、それぞれの出力で1000分の100秒で1発づつテスト照射しました。
写真は照射から15分後に撮影したものです。
赤丸で囲んだ部分に注意してください。毛根と毛根の間の皮膚が蕁麻疹のように膨隆しています。これが皮膚内に散在するメラニン顆粒からの放熱による反応です。このまま全照射すると広範囲のヤケドをおこす可能性がおおきいと判断できます。すなわち、冷却装置があるといえども、この方にはレーザー脱毛は危険なのです。
青い四角で囲った上段の1000分の100秒での反応を御覧ください。レーザーに対する反応は毛根周囲に限局しています。すばらしいです。

ということで、1000分の100秒・20ジュールという設定で、ヒザ上・ヒザ下を全照射しました。

全照射後15分しての写真です。毛穴の周囲が赤く膨隆しているのがわかります。これは理想的な反応です。


接写像です。毛根の燃えかすが毛穴に詰まっていて、その周辺のみが発赤しているのが本当によくわかります。
(青枠の部分のように、毛穴から離れた皮膚も発赤しているように見えますが、これはもともとのアトピーによる発赤です)

新型機(LightSheerXC)は前評判どうりの性能であることを実感し、6台目のダイオード機としての導入は成功であったと喜んでいます。ただ、理論的には、1000分の30秒という従来の設定よりも産毛に対する効果が低いと考えられます。この人が何回か照射を繰り返して最終的にどの程度の減毛が得られるのかが興味深いところです。

2000年7月4日
渋谷高橋医院院長
高橋知之記
(本文および写真の複写・転用を禁じます)

【追加】

こちらの人はもっと色黒です。照射後20分くらいの写真ですが毛根はみごとに反応していますが、皮膚のトラブルは起きていません。