スポットの形状による照射効率

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Coherent社のLightSheerの照射口は正方形をしています。以前に使用していて、現在は廃棄したCynosure社製のロングパルス・アレキサンドライトレーザー(LPIR)やPalomar社のSLP等、すべての脱毛用レーザー装置の照射口は円形です。
照射口

「レーザー脱毛」の本文に書いたように、「照射漏れ」が起きやすいのが円形スポットの欠点です。「照射漏れ」を起こさないためには重複照射することになります。重複照射するとヤケドを起こしやすいので難しいところです。
重複照射すれば必ずヤケドするということではありませんが、照射数が増えれば痛みも大きいでしょうし、時間もかかって効率的ではありません。
どれくらい非効率的かを検証してみましょう。

図の左側を御覧ください。例えば、直径12mmの円形スポットであるPalomar社のSLPで「漏れ」の無いように十分に注意して照射したとします。緑の部分が重複したところで、計算すると照射面の17%を占めています。青の部分は未照射です。照射数は84発となります。
こちらのボランティアのウデの場合には、1発の照射時間(パルス幅)は1000分の750秒で、冷却時間を含めると毎秒1発で照射できるはずですが、「漏れ」を起こさないようにハンドピースを移動させるために、あるいは、痛みのために、2〜3秒に1発がやっとでした。この図の場合には84発が必要ですから、計算上の処置時間は84秒ということになりますが、実際には、160〜250秒が必要ということになります。
通常、SLPは直径10mmまたは8mmのハンドピースを使用することが多いそうです。直径10mmのスポットは12mmに比べて面積は70%しかありません。直径8mmでは44%です。直径10mmのスポットでは120発、直径8mmでは182発の照射が必要ということになりますから、これらを使用すると更に処置時間は長くなるはずです。
同じ面積である右側は、1辺12mmの正方形スポットであるCoherent社のLightSheerで「漏れ」の無いように十分に注意して照射したとの想定です。当然、「照射漏れ」はありませんが青の部分は未照射です。合計40発で済みます。1発の照射時間(パルス幅)は1000分の30秒ですから冷却時間を考慮しても、余裕をもって毎秒2発の照射が可能です。実際に上記のボランティアも毎秒2発で照射しました。すなわち、この図の場合の処置時間は20秒となります。
結論:正方形スポットのLightSheerは円形スポットの機械に比べて圧倒的に短い時間で処置することができます。照射時の痛みについては、SLPとLightSheerの両方を体験したボランティアは「SLPの痛みの方が持続時間が長いので辛い」といっています。痛みの感じ方には個人差がありますから、どちらが痛いかを断定するつもりはありません。少なくとも、照射のたび毎に痛みが発生するのですから半分以下の照射回数で済むLightSheerに軍配があがると私はおもいます。(照射した範囲の脱毛効果が同じであると仮定してLightSheerのスポットの形状に軍配をあげるといっているのです。脱毛効果が同じでなければ、そもそも、この比較は無意味です)

冒頭に「LightSheer以外の脱毛用レーザー装置の照射口は円形です」と書きましたが少し補足します。
光脱毛は正確に言えばレーザーではありませんが、一般的にはレーザー脱毛の一種と考えられています。私は10ヶ月前に別文で、700ナノメートル未満の光線がフィルターを通過することを懸念しながらも「光脱毛機の効果について、アメリカの医師による学会発表を聞いたことがあります。なかなか立派な結果で、そのときは、条件さえ良ければ永久脱毛は十分可能だとの印象を受けました。現時点で、永久脱毛が可能な機械は、ダイオードレーザーとロングパルスアレキサンドライトレーザー、それに(一部の)光脱毛機だと考えております」と書きました。
光脱毛機のトップメーカーはESCSharplanという会社です。その最新型のQuantumHRという機械は、スポットの形状が34mm×9mmの長方形で、755ナノメートルのフィルターが用意されていて接触型の冷却装置も内蔵されています。そしてパルス幅も1000分の315秒までだせるということなので、カタログデータどおりの性能であればLightSheerの強力なライバルになるはずです。(最高出力が45ジュールというのは少し物足りませんが・・・)
半年くらい前に、QuantumHRとLightSheerの比較照射をESCにお願いしたのですが機械そのものが日本になくて流れてしまいました。今ならあるでしょうから、もう一度問合わせてみようとおもいつつ、この文章を書き終えます。

2001年2月18日
渋谷高橋医院院長
高橋知之記


上記記載を知らせるのがエチケットと考えてPalomar側に示したところ、内容に同意できないとの簡単なメールをいただきました。不同意の理由を問合わせておりますので回答が届きましたら掲示いたします。
もちろん、これはあくまで私的意見ではありますが、異論・反論がありましたら、どなたでもメールをお寄せください。改変せずに掲載させていただきますし、私が間違っていることが納得できましたら訂正いたします。

2001年2月25日
渋谷高橋医院院長
高橋知之記