光治療機「コスモライト(エリプス・フレックス)」の美顔モードについて


エステサロンで使用されているコスモライトの主たる用途は脱毛です。 その脱毛性能はこちらで検証済みですが、 カットフィルターやパルスモードを変更したオプションが用意されていて、 フォトフェイシャルと同じような施術ができるとされていますので、 そのスペックを検証してみました。
この美顔モードは医療機関で使用されている姉妹機のエリプス・フレックスでも盛んに行なわれていますので、 そのスペックを検証してみました。

左が美顔モード、右が脱毛モードです。いちばん大切な違いは脱毛が600ナノメートル以下をカットするフィルターなのに対して、 美顔でのフィルターは550ナノメートルです。


上図のピンクの曲線は血液の中のヘモグロビンという赤い色素の波長別のエネルギー吸収曲線ですが、 500ナノメートル台にふたつのピークがあるのがお分かり になるとおもいます。 550のフィルターを使用すれば、その右側(長波長)のピークをカバーすることができます。 (脱毛用の600のフィルターではカバー できません)
すなわち、美顔モードではヘモグロビンにも作用しますので赤ら顔にも効果を期待できるわけです。 その一方で、カット値を600から550にさげたためにフラッシュランプからのエネルギーの多くが皮膚の浅いとことで 留まってしまい、ヤケドするリスクが高くなってしまいます。
しかし、美顔では脱毛ほどの高出力が要求されませんので、どうにかヤケドを回避できるのではというもくろみです。 実際、脱毛の最高出力が20J/cm2であるのに対して美顔では半分の10J/cm2でしかありません。
脱毛であっても美顔であっても、効果と副作用に大きく影響するのは光1発の持続時間とエネルギー分布です。 パルス幅ともいいますが詳しくはこちらを御覧ください。


これはコスモライトの脱毛設定でのパルス幅を測定したものです。 連続した光線の途中で短い時間のシャットダウンがあります。
このようなパルスを何両編成かの 電車のようにみえるところからトレインパルスといいます。 左から、細い毛、普通の毛、太い毛、に合わせたモードです。とても忠実に脱毛理論を踏襲しています。

しかし、これをそのまま美顔に用いれば危険です。皮膚を休ませる休憩時間がないからです。

美顔モードの波形はトレインパルスではなく、2.5ミリ秒(ms=1000分の2.5秒)だけ照射して10ms休憩し、再び2.5ms照射という設定でした。
これはパルスディレイという考え方で、エステライトの頁で詳しく解説してあります。









日本人に多い肌タイプ3で日焼けなしという場合には推奨標準設定が9J/cm2であり、最高出力は御覧のように12J/cm2です。(カタログでの最高出力は10J/cm2となっています)
私の測定では、肌タイプや日焼け度を変更してもパルスモードは上記の1種類だけでした。この2.5ms -10ms -2.5msという設定の評価ですが、病院で行われているフォトフェイシャルの設定と比較してみましょう。
例えば私のクリニックで同じような人の場合には2.4ms -15ms -5.0msという設定にしておりますし、もっと条件のよい色白であっても2.4ms -15ms -4.0msくらいです。コスモライトの設定は、私にはとても過激にみえます。このような設定で、なおかつ、フォトフェイシャルのように冷却装置もなく、冷したジェルも使用しないのに問題ないというのであれば、それは出力が低いからなのでしょう。フォトフェイシャルでは通常18~28J/cm2くらいですから約半分といったところでしょうか・・・。



「なんだ、たいしたことはないじゃないか」と簡単に考えて、最高出力で腕に1発照射してみました。

浅はかでした。飛びあがる激痛でした。写真は照射直後(10秒後?)です。たかが12J/cm2くらいでと念のためプロの技術者が使用する測定機でチェックすると実際の出力は40%オーバーの17 J/cm2でした。

脱毛モードのトレインパルスでの20 J/cm2というのはとても安全な出力ですが、2.5ms -10ms -2.5msという美顔モードでの17 J/cm2というのは過激な設定です。ヤケドするのはあたりまえです・・・。(例えば同じ出力であってもトレインパルスではピーク値が低いのでヤケドしないのです)
脱毛モードでは不要かもしれませんが美顔モードではフォトフェイシャルと同様なグリッドスペーサーと冷却したジェルが必須であるというのが私の印象です。

2003年8月10日
文責者: 渋谷高橋医院 院長 高橋知之 (E-mail: Tomoyuki@Takahashi.MD)

2003年10月30日
販社の協力によってコスモライト用のグリッドスペーサーが完成しました。こちらを御覧ください。

文責者: 渋谷高橋医院 院長 高橋知之 (E-mail: Tomoyuki@Takahashi.MD)
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