光脱毛について

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光脱毛について

よりよく御理解いただくために、まずレーザー脱毛の原理をお読みになってください

レーザーの波長は755ナノメートル、ダイオードは800ナノメートルというように、レーザー光はそれぞれ固有の波長をもっています。
それに比べて通常の光、たとえば太陽光は、紫外線・可視光線・赤外線とさまざまな波長の集合体です。



ある波長より短い光を通さないフィルターをつくって、超強力なストロボライトのような光をこのフィルターにかけるというのが光脱毛の原理で、最近はスキンケアにも応用が拡がっています。(こちらを御覧ください)
上図の富士山のような青い曲線が一般的なフラッシュランプからの光の波長分布です。図には3本の赤い棒がありますが、560のフィルターをつければ赤棒よりも左側の波長がカットされます。
光脱毛機は、日本ではエステで多く用いられていますが、そのカットフィルターは550〜690くらいまでです。690のフィルターを使えば全エネルギーの半分以上がカットされてしまい、非常に効率の悪いことになります。

右下がりの茶色の線がメラニンのエネルギー吸収曲線です。短い波長の光ほど吸収率が良いのですが皮膚の透過性が悪くなりますので、エネルギーの多くが皮膚表面で捕われることになりヤケドしやすくなります。
日本でレーザー脱毛がスタートしたのは755ナノメートルのロングパルスアレキサンドライトレーザーが1997年の春に導入されてからです。それ以前にはアメリカでルビーレーザーという機械も開発されて大いなる期待を集めたことがありますが、ルビーレーザーの波長は694ナノメートルであるため、波長が短すぎて皮膚表面のメラニンに反応しすぎてヤケドが多発して、結局、普及しなかったという歴史があります。
エステで用いられているカットフィルターで一番長い波長のものは690のエステライトですが、それでも危険であるということになります。690が危険であるなら、レーザーと同じく755や800のフィルターをつければよいはずです。
しかしそうすると、上図でお分かりいただけますが、せっかくのエネルギーの大半がカットされてしまいますので、脱毛できるだけのパワーが確保できなくなってしまいます。
ルビーレーザーの話はレーザー脱毛黎明期の出来事でしたので、今では常識である皮膚保護用の冷却装置というアイデアも当時はありませんでした。したがって、強力な冷却装置をつければ600台でも脱毛できます。冷却装置が組み込まれていなくても、よく冷したジェルを塗って、慣れた施術者がすばやく照射すれば、ある程度は脱毛できるかもしれません。(とても危ない試みですが・・・)

光脱毛には、このような波長(カットフィルター)の問題の他にもうひとつ大きな問題があります。光の指向性の問題です。
だいぶん前の話になりますが、野球場で観客がグランドの選手の眼にレーザーポインターを向けてプレーが中断したことがあります。レーザー光線は散乱せずに直進しますので小さなポインターから出た光でも減衰せずに遠く離れた選手に危害を及ぼしたのです。これが懐中電灯だったら選手まで光が届かなかったということは容易に理解できるところです。
すなわち、レーザー脱毛であればハンドピース(光線の出口)から皮膚の距離が数ミリ変化しても問題はないのですが、光脱毛の場合は適正距離から近づきすぎるとヤケドし、離れすぎると効果がなくなってしまうということです。もともとの光線がレーザー脱毛の場合よりもヤケドしやすい短波長なのですから、施術者のちょっとした機械の持ち方でヤケドし、はたまた効果がなくなってしまうのです。
そのような微妙な持ち方の上手・下手は医学的知識の有無とは関係ないことですが、ヤケドの治療が遅れて裁判沙汰になった事故もあります。

光線の出口から皮膚までの距離が、ベテランが行っても新人が行っても、器用な人が行っても不器用な人が行っても、常に適正距離に保たれれば光脱毛は安全になるはずです。
そのようなおもいから私はグリッドスペーサーなるものを開発しました。フィシオフラッシュコスモライトエステラックスなどの光脱毛機に装着できるグリッドスペーサーが開発しました。また、冷却装置が内蔵されたエステライトという光脱毛機にはサファイアチップというものも開発しました。こちらは、光線の出口から皮膚までの距離が常に一定に保たれるばかりでなく、脱毛能力が飛躍的に向上し、医療機関で用いられているレーザー脱毛機をも陵駕する性能の向上が得られます。
そして、いわばサファイアチップを埋めこんだとでも言うべき脱毛機を完成させました。P-NAINといいます。



P- NAINの発光ランプは水冷式ですから、ランプから出た光は冷却水を通過してカットフィルター(700ナノメートル)を経て皮膚に到達します。すなわち 950よりも長い波長の光は途中で冷却水に吸収されてしまいますから、皮膚に到達する光は、700にピークのある700〜950ナノメートルとなります。
P-NAIN2とP-NAIN3では、皮膚を保護するための冷却装置に温度コントロールシステムを登載していますから、テストでヤケドしなければ本番でヤケドする理由がみあたりません。
最初のP-NAIN(P-NAIN1)は最高出力が45ジュールでしたが、P-NAIN2を経て最新型のP-NAIN3はライトシェアの上位機種と同じく 60ジュールまででますし、700という波長はライトシェアの800よりもメラニンに対する反応がよいので、安全で効果的な脱毛機を開発するという私の夢はかなえられたようにもおもいます。

2006年7月29日
渋谷高橋医院 院長
高橋知之

補足:
私が使用しているライトシェアというレーザー脱毛機が世にでたのが1998年です。丸8年が経過しましたが、その間に機械の外観変更や最大出力の向上などはありましたが、脱毛するうえでの根本的なスペック変更はありませんでした。それでも、今でもダントツで世界一のレーザー脱毛機です。
換言すればこの8年間でレーザー脱毛は進歩がなかったともいえますが、2000年当時は話にならなかった光脱毛機も、今ではライトシェアを凌駕するまでになりました。
本ページの内容は光脱毛機の進化にともなって随分と変化しました。(一見すると矛盾するようにもみえますが進化によって欠点が逆に利点になったりもしたのです)

2000年4月25日(初版)
2001年6月10日(改訂)
2005年10月20日(再改訂)