施術間隔について-毛周期に合わせて施術時期を選ぶべきか?-

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テスト照射

レーザー脱毛は 毛周期に合わせて照射すべきであるという話をよく耳にします。
インターネット検索サービスであるグーグルで 「毛周期」「脱毛」をキーワードにして検索してみました。
そうすると、
脱毛というのはこの毛周期に合わせ何回かの照射が必要になってきます。
毛には毛周期という周期があります。 休止期といってメラニンのない時期の毛は脱毛できません。
そのため毛周期に合わせて約1ヶ月〜1ヶ月半の間隔をあけて数回の処置が必要になります。
施術は、毛周期にあわせて行いますの….
そして毛周期にそって2ヶ月に1回の間隔でレーザー照射をします。
毛周期を無視して脱毛しても、効果は半減します。
毛周期の関係で約2ヶ月間隔で施術しますが、その間に自分で抜いたり剃ったりすると毛周期の間隔が狂うことがありますので….
毛周期を考慮して数回の脱毛を繰り返す….
人によって差はありますが、2ヶ月〜3ヶ月ぐらいの周期で成長期へと移行するといわれています。
毛が生えて抜けるまでの期間は3ヶ月〜数年と体の部位によって差があります。
また個人によって毛周期に若干差があり、脱毛完了までの期間は一概にはいえません。
脱毛を希望されるところの毛周期に合わせてご来店頂く様になります。
部位によって毛周期も異なります。通常成長期は3〜4ヶ月、退行期は2〜4週間....
確実な脱毛効果を得るためには、毛周期のサイクルを考慮したインターバルを守って、 数回の照射を繰り返す必要があります。毛周期のサイクルは体毛の部位や個人差で異なりますが、 ほとんどの方が1年間で脱毛を完了し....

どこのページでも毛周期を重要視していますが約1ヶ月〜1ヶ月半という説明もあれば 3ヶ月〜数年と体の部位によって差がありますという説明もあります。
医学論文にはどのように書かれているのか調べてみました。
乃木田俊辰先生が書かれた「オフィスにおけるレーザー脱毛(皮膚病診療:21(8);767-772,1999)」には、 Fucs,M..:dremPraktishceDermatologie,1997からの改変引用と付記のうえ下のような表が載っています。
身体各部位における毛周期

部位

休止期毛(%)

成長期毛(%)

休止期期間

成長期期間

頭皮

13

85

3〜4ヶ月

2〜6年

ひげ

30

70

10週

1年

腋窩

70

30

3ヶ月

4ヶ月

体幹

外陰

70

30

3ヶ月

4ヶ月

上肢

80

20

18週

13週

下肢

80

20

24週

16週

乳房

70

30

この表をもとにして毛周期を考慮した施術計画を立ててみました。
まず、ヒゲについて考えてみましょう。
表によれば休止期は10週、成長期は1年です。
成長期のほうが休止期よりも長いということはとても大きな意味があります。

長期の割合は3対7です。
元々100本の毛があると仮定した場合、1回目の施術のときには70本が脱毛できるはずです。
その時点で休止期の毛は30本ですが、この30本の中には休止期に入ったばかりの毛もあれば休止期の最後の毛もあるはずです。
1回目施術から70日後(10週後)には休止期に入ったばかりであって毛は成長期に入りますし、 休止期の最後であった毛は成長期に入って70日目です。残りの30本のすべてが成長期に入っています。
1回目施術から365日後(1年後)には休止期に入ったばかりであった毛は成長期の295日目ですし、 休止期の最後であった毛は成長期の最後の日を迎えています。
残りの30本のすべてが成長期に入っています。
すなわち、1回目施術から70日〜365日までの間に2回目の施術を行なえば、 たった2回の施術でヒゲの永久脱毛が完了するということになります。
ワキ(腋窩)とビキニライン(陰部)の場合は、表によれば休止期は3ヶ月で成長期は4ヶ月です。
元々100本の毛があると仮定した場合、1回目の施術のときには30本が脱毛できるはずです。
その時点で休止期の毛は70本ですが、それらの中で休止期に入ったばかりであった毛は3ヶ月後に成長期を迎えますし、 休止期の最後であった毛は成長期が終わるまで1月を残しています。
すなわち、1回目施術から3ヶ月〜4ヶ月までの間に2回目の施術を行なえば、 たった2回の施術でワキやビキニラインの永久脱毛が完了するということになります。
成長期のほうが休止期よりも長い場合には、2回の施術で、理論的には永久脱毛できるはずなのです。

長期のほうが休止期よりも短い場合はどうでしょうか。
ヒザ下(下肢)に例をとって考えてみましょう。
表によれば休止期は24週で成長期は16週です。
元々100本の毛があると仮定した場合、1回目の施術のときには20本が脱毛できます。
その時点で休止期の毛は80本ですが、80本の中の休止期に入ったばかりの毛は24週後に成長期に戻ります。
24週後に2回目の施術を行なえばこの毛は脱毛できます。
80本の中には休止期に入って16週目の毛もあるはずです。
1回目から24週後には、この毛は成長期の最後ですから脱毛できます。
2回の施術で残った毛は1回目の際に休止期に入って16週目から24週目の毛だけになります。
これらの毛は2回目の施術の際には次の休止期に入った直後から休止期に入って8週目です。
3回目の施術は2回目から24週後ですから、そのときには成長期に入った直後から8週目までになっていますので、 これですべての毛が処理できたことになります。

1回目施術から16週目の状態を考えてみましょう。
80本の中で1回目の時点で休止期に入ってから8週目までだった毛は、休止期の16週目から24週目になっています。
80本の中で1回目の時点で休止期に入って8週目から24週目までだった毛は総て成長期にあります。
(成長期の最初のものから成長期の最後のものまであります)
16週目に2回目の施術を行なえば、永久脱毛を免れる毛は、その時点で休止期の16週目から24週目の毛だけです。
2回目から16週目には、これらの毛は総て次の成長期の中に入っています(次の成長期の8週目から16週目に散らばっています)

この時点で3回目の施術を行なえば、総ての毛が処理されることになります。

になっています。

成長期のほうが休止期よりも短い場合には、3回の施術で、理論的には永久脱毛できることになります。

でも、私はこの6年半の間に何万人もの脱毛を行なってきましたが2回の施術で永久脱毛が完了した経験をもっていません。
約2ヶ月から10ヶ月の間隔をおいての2回の施術で男性のヒゲが完全に脱毛できるなんていうのは絶対にありえません。
この表に示された数字は本当に正しいのでしょうか。
ワキやビキニラインならいざ知らず、足や腕に生えている沢山の毛をどうやって調べたのでしょう・・・。

アメリカのハーバード大学医学部にウエルマン皮膚レーザー研究所という施設があります。
ここはレーザー脱毛のメッカとも称される研究機関ですが、 そこに所属するDierickx医師の論文(レーザー脱毛:科学的原理と現実的側面)にも 「毛の成長周期の期間」として次のような毛周期表が記載されています。

部位

休止期(月)

成長期(月)

計(月)

背部

3−6

3−6

6−12

大腿部

3−6

3−6

6−12

腕部

3−5

1−2

4−7

腓腹部

3−4

4−5

7−9

腋窩部

2−3

3−4

5−7

上腕部

1−2

3−4

4−6

恥骨部(ビキニライン)

3−4

2−3

5−7

先の乃木田先生が示された期間と相当な違いがあります。
例えばビキニラインでは休止期のほうが成長期よりも短くなっていますし、 ヒジ下(腕部)とヒジ上(上腕部)は数値が逆転しています。 個人差があるということは理解できますが、 これほどの差があるのであれば毛周期を基にして施術期間を論じることに意味があるようには私にはおもえません。 (上記のインターネット検索で見つかった施設の殆どは毛周期に合わせてと言いながら、 2〜3ヶ月おきにとも言っています。これは矛盾した意見のようにおもえます)

私たちJPSグループでは次の2項目を根拠として最短で2ヶ月、 長ければ長いほどよいというのを原則としています。
(1)皮膚の中に毛がなければ効果はゼロ。
(2)細くて色の薄い毛(うぶげ)には効果が少ない。太くて黒い毛には効果が大。

短期間で早くきれいになりたいので、2ヶ月おきではなく、もっと短い間隔で照射してください。
一般的にいえば、照射して1ヶ月くらいは、まったく生えてきません。
毛穴にあるとしたら「もえかす」ですから、この時点での照射は(1)の理由から無意味です。
いくら安全に配慮しているといっても皮膚の状態によってはヤケドがおきる可能性もありますので照射しないほうが賢明でしょう。
1ヶ月が過ぎると、産毛のように細くて弱々しい毛が僅かに顔を見せはじめます。
2ヶ月くらい経つと、ある程度しっかりした毛に育つはずです。
毛が生えてきたからといって照射を急ぐと(2)の理由から効果が期待できません。
そればかりか、レーザーの出力をあげることになって副作用が心配です。

色白なので副作用は大丈夫です。産毛もいやなので、2ヶ月は待てません。
生えてきたらすぐに照射してください。
レーザー脱毛というのは皮膚の中の毛(=毛根)が燃えて、その熱で毛根を包んでいる毛包にある幹細胞という 毛の発生元を蛋白変性させることで効果があるのです。
毛包にある幹細胞は変性しないけれど毛だけは燃焼するということは、よくあります。
たとえば、こちらを御覧ください。
ためしにハンドピースを皮膚から離して照射してみました。
毛が燃えて一見なくなったように見えるでしょう。
けれども永久脱毛はできません。カミソリで剃っているのと同じなのです。
(実験台は私です。冷却装置が接触していないので痛かったです・・・・・)
燃焼力が弱ければ一時的な脱毛は起きますが永久的効果はありません。
燃料は毛根のメラニンです。産毛にはメラニンが少ないですから十分なメラニンを含むまで育つのを待つべきです。
待ちきれず照射すると中途半端に効いて、いつまで経ってもひょろひょろの毛になってしまう可能性があります。
待てば永久脱毛できたのに、待たなかったために脱毛できない毛になるかもしれません…
こちらの記事を御覧ください。

では最後まで2ヶ月おきにおねがいします。
2ヶ月おきというのは、ある程度しっかりした毛になるまでの期間の目安です。
最初の数回は2ヶ月おきでうまくいっていても回数を重ねるごとに、産毛状態である期間は長くなってきます。
ということは照射間隔も、それに応じて長くなります。
3〜4回目になると4〜5ヶ月あけることになる人が多いようです。
がっかりすることはないですよ、脱毛の効果があがっている証拠なのですから。

わたしの場合は、仕事の都合で最初から間隔があいてしまうのですが…
それは大丈夫です、なんの問題もありません。
最後までお読みいただければお分かりになるとおもいますが、間隔は長ければ長いほどよいのです。
都合のよいときに来てください。

わたし(男性)の場合、ヒゲはすぐに伸びてきますが…
ヒゲは単位面積あたりの毛の数が多く、また太いので、皮膚冷却装置が内蔵された機械でなければ安全に脱毛できません。
冷却装置が内蔵された脱毛機の代表選手は私が愛してやまないライトシェアです。
しかし、そのライトシェアとて他の場所と同じように行なうと必ずといってよいほどヤケドします。
3回目くらいまではヤケドしないようにやや弱い出力で3〜4週間間隔で照射することにしています。
そうすると他の部位くらいの密度になりますので、その後は他の部位のように長くあけることができるようになります。
その後に開発されたP-NAIN2では 冷却温度が5度に固定されたライトシェアよりも強力な温度コントロール付の冷却装置が内蔵されています。
実際、P-NAIN2をマイナス3度に設定して、たくさんの施術を行なってみた結果、 こちらこちらに あるような激しい反応はほとんど起きないということが分かってきました。
ライトシェアの場合はこのような反応が起きる、すなわちとてつもなく痛いわけです。
したがって、強く照射できない・・・。
ライトシェアでの男性ヒゲ脱毛の1回目の出力は13ジュールか14ジュールがほとんどで、 15ジュールだと耐えられないことが多いです。
温度コントロールができなかったP-NAIN1もほぼ同様だったのですが、 P-NAIN2では痛みや赤みがとても少なくなりました。それならばもっと強い出力で施術できるわけです。
痛みが我慢できてヤケドしないのなら出力は強いほうがよいに決っています。
このようなことから、現在は18ジュール〜20ジュールという強い設定から開始し、 1回目と2回目の間隔を4週間、2回目と3回目も4週間、次を6週間・・・ つまり、4、4、6、6、8、8、10・・・とあけていくというスケジュールに変えています。
もちろん個人差があるためもう少し長く開けるケースもありますが、 P-NAIN2を使用するかぎり、男性ヒゲも他の部位と同じく、 照射間隔は長ければ長いほどよいという一般論で説明できるようになったということです。
(もちろんライトシェアの場合は以前のままです)


最後にクイズをだしましょう。
ワキの脱毛を希望される3人に次のようなスケジュールで照射しました。
Aさんは初回15ジュール、2ヶ月後に2回目18ジュール、2ヶ月後に3回目24ジュール、4ヶ月後に4回目30ジュール、 4ヶ月後に5回目35ジュール、9ヶ月後に40ジュール、最後は1年後に45ジュールです。
結局3年かけて7回の照射を行なったわけです。
Bさんは初回15ジュール、以後2ヶ月おきに3ジュールづつあげて2回目18ジュール、3回目21ジュール、 4回目24ジュール、5回目27ジュール、6回目30ジュール、最後には初回から 1年後に7回目になる33ジュールの照射を行ないました。
Cさんは初回15ジュール、まったく毛が生えていませんでしたが1ヶ月後に2回目の照射を18ジュール、 以後1ヶ月おきに21ジュール、24ジュール、27ジュール、30ジュール、 33ジュールと計7回の照射を初回から半年間で終えました。

最後の照射から1年後にどれくらいの減毛が得られたでしょうか?
Aさんの場合にはほぼ100%の減毛、Bさんの場合には5回目以降は無意味な照射となり60〜80%の減毛、 Cさんの場合には有効だったのは1回目だけで後は無意味な照射となり20%くらいの減毛になると私は予想します。
Cさんのような人は現実にはいませんが、Aさんの1年間に5回の照射の方がBさんの 1年間に7回の照射よりも効果が大であると考えます。
これは、あくまで接触型冷却装置のついたダイオードでの予想です。
アレキサンドライトでは冷却装置をつけたとしても25ジュール以上では照射できないのですから、 このような結果は得られません。 (毛が硬くて太い剛毛の人なら最初の数回は低出力で行ないますからアレキサンドライトでもダイオードでも大差はないかもしれません)


結論です。
照射間隔は長ければ長いほどよいのです。月日をかけて太く成長させてからバッサリやっつけるのがコツなのです。

2006年12月13日
渋谷高橋医院院長
高橋知之記
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