穴あけには専用のファーストピアスを
ピアスをしたい人は当然ながらピアスホールを作らなければなりません。ホールのない耳に初めてピアスをつけることをピアッシングと言います。
ピアッシング直後のホールは単なる傷ですから、ピアスを外すとすぐに塞がってしまいます。
1ヶ月位ピアスを外さないでいると、ホールの中が皮膚で覆われ、外しても塞がらなくなります。
トラブルを起こさずにホールが完成するかどうかは、最初にどのようなピアスをつけるかによります。
最初から18金のアクセサリーピアスをつけると、ピアスを通しにくい小さなホールとなってしまい、トラブルが多いので最近では殆ど行われていません。
ピアッシングに用いる専用ピアスのことをスタッド(STUDS)と言います。
骨折のときに使用するネジと同じ医療用ステンレスで造った軸太(1.2mm)で頑丈なピアスで、表面を純金や純チタンで処理したものもあります。
また金属アレルギーへの関心の高まりからファインセラミックやポリカーボネイト(透明樹脂)などの非金属を素材としたものも使われるようになっています。
普通のピアスと違ってスタッドには単なるアクセサリーではなく、ホールを作るための医療用具として完全滅菌されてパッケージに入っており、注射器の注射針と同じように厚生省の認可を受けています。
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↑ 誕生石を中心に150種類以上のスタッドが用意されています
ピアッシングにはスタッドをピアスガンにつけて打ち込む方法と最初からスタッドがついたピアッサー(穴あけ器)を使う方法があります。
ピアッサーを使った方法についてはあとで述べますが、いずれにしても一瞬のうちに終わりますから麻酔の必要もなく出血も全くありません。
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ピアスが盛んなアメリカなどでは子供の頃にピアッシングしますから、スタッドの長さは子供の耳に合わせて6mm(スタンダードタイプ)に設計されています。
スタッドにはスタンダードタイプの他に、耳の薄い赤ちゃん用の4mm(ショートタイプ)と 耳の厚い人用のロングタイプ(8mm)があります。
大人になってからピアッシングする日本ではショートタイプの需要はありませんが、ロングタイプは非常に重要です。
また私はトラブルの大半はピアスの長さが耳たぶの厚さに合っていないために起きているのではないかと考えて、 論文のような方法でピアッシングに訪れた2,749人の耳たぶの厚さを実際に測ってみました。
結果は驚くことに、76.9%の人が6mm以上だったのです。日本ではロングタイプのスタッドをファーストチョイスとし、 スタンダードタイプは子供のように薄い場合のみに使用できると考えてください。
また皮膚の弱い人や以前に失敗した人などは後述するように金属アレルギー対応のものがよいと思います。 スタッド選びに注意することは、まず長さ、次に素材なのです。
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