レーザー脱毛の原理と機械

 この機械は近赤外線といって黒い色素(メラニン)だけに集中する波長のレーザーを利用したものでこれを照射するレーザーエネルギーは皮膚の表面を通過して毛根に集中し瞬間的に高熱を生じます。この高熱で毛根に接している毛包や毛乳頭を焼灼するのです。適切な照射が行われると熱の為に毛穴に一致した浮腫が発生します。(ときどき勘違いされている人もいらっしゃいますが、カミソリなどで毛を剃り落とした際に皮膚の中に残っている部分を毛根といい、皮膚の外に出ていて剃り落とされた部分は毛幹といいます)
 ところが、メラニンは毛根だけではなく皮膚全体に散在しています。毛根以外のメラニンの温度を上げずに毛根のメラニンだけ焼灼するためには、専門的になりますが、レーザー光線1発の持続時間が1000分の10秒以上必要でこれをロングパルスといいます。
 1000分の5秒以下だと皮膚に散在するメラニンが破壊されて重傷のヤケドが起こり、その後に色素脱で(白斑)が起きる可能性があります。レーザーの照射した部位に一致した水玉模様の白斑は一生残る後遺症となりますので要注意です。
 最初に導入したアレキサンドライトレーザーのパルス持続時間は1000分の20秒で、処理速度がすばらしいのに感激しました。しかしながら経験を積むうちに、産毛は効果が少なく、色の浅黒い人ではヤケドを起こす頻度が高いことが分かってきました。メーカーでは対応策として、パルス持続時間を1000分の40秒に改良したSuper-LPRという機種を開発し、1998年12月に新機種に切り替えましたが残念ながら成績はそれほど向上しませんでした。

 1998年9月に導入したダイオードレーザーのパルス持続時間は1000分の30秒で、ヤケドを防止するための冷却装置で皮膚を圧迫しながら照射するのが特徴です。アレキサンドライトレーザ−と比較して、色黒の人でも格段に痛みが少なくヤケドを起こさない事が特徴です。それだけでもすばらしい事ですが、照射口を皮膚に押し付けるので深部にある毛根にもエネルギーが届きやすく、したがって同じ出力でアレキサンドライトレーザーよりも高い効果が期待できるというメリットや照射野が四角形なので照射漏れや重複照射が起きにくいというメリットもあります。
 脱毛用レーザーの出力はジュールという単位で表します。アレキサンドライトレーザ−は30ジュールまで出せるのですが、20ジュールくらいからヤケドを起こし始めますのでメーカーはそれ以上の出力での使用を禁じています。ダイオードレーザーでは40ジュールにあげても平気な人が殆どで、50ジュール以上でも処理できる人もいます(機械の性能としては60ジュールまで出せます)。
 最近の3年間で、針脱毛からレーザー脱毛へと流れは大きく変化し、変化させたのはロングパルスアレキサンドライトレーザーでした。機器の開発の速さには目を見張らされるものがあります。一世を風靡したこの機械も、この1年でダイオードに席を譲ってしまったのです。
 そのように実感した結果として、アレキサンドレーザーでは最先端のSuperLPIRですが、導入からわずか2年半しか経っていないのですが、2000年4月からその使用を停止しました。正常に働いている上に、原価償却も済んでいませんが敢えて決心しました。
 今回、全面的にホームページを改定しましたのも、引き返せない状況に自分を追い込みたかったからなのです。(そうしないと、もったいないと思ってつい使ってしまうかもしれないから・・・)